近年、抹茶が世界的に伸びています。市場規模は2023年に約43億ドル、2030年には約74.3億ドルへ拡大見込み(年平均成長率7.9%)。まずは、全体感を数値で押さえましょう。
※Grand View Research の2023年実績(43億ドル)と2030年予測(74.3億ドル)を起点に、CAGR 7.9%で年次推計した参考棒グラフです。
抹茶人気が伸びるワケ
健康志向×"飲む美容"ニーズ
カテキンなどの機能性と「スーパーフード」文脈が追い風になっています。
カフェ日常化とSNSの拡散
抹茶ラテやスイーツが定番化し、鮮やかな緑が"映える"ことで若年層にも浸透しています。
グローバル需要の裾野拡大
北米・欧州に加え、近年は中東・アフリカでも人気上昇。生産の中心である日本では供給逼迫の懸念も報じられています。
今、現場で起きていること(データでみる"バブル感")
日本の抹茶生産は10年で約3倍
2010年1,471t→2023年4,176t。一方で国内需要は伸び悩み、輸出比率が上昇。ブームの主戦場は海外です。
供給ひっ迫と価格高騰
2025年は猛暑の影響で碾茶(抹茶原料)の収量低下が指摘され、京都の相場は前年比+170%の8,235円/kgに到達。日本の緑茶(抹茶含む)輸出額は2024年に364億円(+25%)と報じられています。
市場はなお拡大基調
グローバル市場は2023年43億ドル→2030年74.3億ドルの見通し。需要ドライバー(健康・SNS・日常化)が複合的に効いているのが特徴です。
チャンスとリスク:どう向き合う?
チャンス
海外市場の継続拡大
特に北米・欧州、加えて新興市場での需要増加
用途拡張
カフェ・スイーツ・RTD(清涼飲料)・菓子への用途拡張
差別化の余地
産地・グレード・風味設計など差別化の余地が大きい
リスク/課題
- 原料ひっ迫と価格上昇(天候影響も含む)
- 品質の二極化(低品質・非日本産の流通拡大)
- 新植から安定収穫までの時間差(供給増のタイムラグ)
いま打つべき実務アクション(要点だけ)
サプライ確保の多層化
産地・農園・加工ラインの冗長化、グレード別の調達ポートフォリオ設計。
品質表示とストーリーの可視化
産地・碾茶製法・遮光栽培・石臼挽き等の訴求で"価格ではなく価値"で選ばれる状態に。
用途別プロダクト設計
ラテ/スイーツ用の色味・泡立ち・溶解性、茶としての香味など"使用現場"基点の設計。
SNS×体験導線の強化
UGC、試飲イベント、海外バイヤー向け体験設計で指名買いを作る。
まとめ
世界の抹茶市場は堅調拡大が見込まれ、供給タイト×価格上昇という"バブル的"様相も一部で観測されています。
重要なのは、品質を守りつつサステナブルな供給体制を整えること。
いまは、「抹茶」を入り口に日本茶全体の魅力を広げる好機でもあります。